戸隠の今 of 写真家小川秀一 戸隠発ブナの実だより

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このページでは、戸隠の現在の様子をご紹介するとともに、戸隠の仲間たち、戸隠にやってくる人たち、戸隠でのお楽しみなどを紹介していきます。
1週間に1度くらいのペースで更新の予定です。「仲間たち」のコーナーは不定期で紹介していきます。このページの担当は、小川秀一の陰になり、陰になりして支えている「山之辺のこりんご」です。

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戸隠日記 2015-6-18

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 暑い過酷な日々が数日続いていましたが、梅雨らしい気候になってまいりました。戸隠森林植物園内では、サワフタギの花が咲きはじめました。白い花は地味ではありますが、サワフタギは一見ポヤポヤして、うつくしいな、と思います。秋になると「新幹線ブルー」(※いつの新幹線や??)と呼ばれる青い実がたわわになって、赤い実が多い林内では目立つ存在となります。別名「ルリミノウシゴロシ」という物騒な名です。「牛殺し」というのは、この枝がしなやかで、牛の鼻輪に使ったとの言い伝えからです。 
梅雨の季節にも、ゆっくり推移していく自然の中に身を置けば、心が静まっていくのを感じます。たまには傘などさして、散策してみませんか。・・・といっても、穏やかな雨の日にね!

過去の記事

お田植え完了 2015-6-3

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 戸隠の式年祭が5月26日で終わり、善光寺さんの「御開帳」も5月末日で終了しました。怒涛のような毎日でした。
やっと戸隠らしい?落ち着いた日々が戻って来ました。
 そして、我が家の田んぼ作業も、代掻きに2~3名の友人が来てくれ、お田植えはカメラマン小川が、一人で田植え機を使って、すべて無事終了しました。 
「動」から「静」へ、これからは毎日の水管理が中心となります。そして7月には恒例の「田の草取り」の過酷な日々が…。 こうして、1年はあっ、という間に過ぎていくのです。
しかし、今年はこの田んぼ、イモチにもイノシシにも負けないように、がんばりたいものです!

美術館 2015-4-17

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 長野市の善光寺さんが、今年「御開帳」でにぎわっているとき、(同じ長野市だけど…)戸隠も、この4月26日から始まる「式年大祭」でそろそろ活気づいてきています。
 そんな中、戸隠の越水地区に「北野美術館・戸隠別館」が作られ、21日に開館を迎えます。 広い駐車場も備えたという美術館はどんなものかと、気になって見に行ってみました。
 以前あった「ヴィラ戸隠」の建物を取り壊した広大な敷地で、疎林の間に白い壁の六角形の建物が2棟、豪壮な作りです。さすがに資金の豊かな北野建設のもの、と感心しました。地面を見ると一見未舗装のようですが、おそらく浸透性の舗装を施してあるのでしょうか、沈んだグレーの色彩で、砂を固めたようにも見受けられます。駐車場は建物の周囲に半周するように設けられ、大きいミズナラらしき木が真ん中に残されています。もっと殺風景かと思っていたら、意外と落ち着いた感じで、ちょっと拍子抜けしました。
 すぐに踵を返して来た道を戻ると、行く時には気付かなかった看板を見つけました。「静かな戸隠を壊さないでください」と書かれています。この別荘地区の自治会の名前が入っていました。短期間で突貫工事を行っていたのでしょうか。工事中は見ていないのでわかりませんが、つつましくはありますが、この地区の人たちが、思いを何とか表明したかったのではないかな、と感じました。
 この地区と、また戸隠と、どのように付き合ってくださるのか、あとは運用を見届けていくことです。

雪上観察会にて 2015-2-13

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 2月11日、「里山ふやし隊」主催の観察会が行われました。昨日までに降った新しい雪の上に、格好の観察対象が…!
 これはウサギの足跡ですが、ご覧のとおり、ここでちゃんとお行儀よくお座りしてウンチをしたのですね!お尻のあったあたりにはマカロンのようなウンチがひとつ。そしておしっこの痕は、赤っぽい色のシミになっています。動き回っている時の足跡は、前足と後足が逆の位置関係で、ついているのにね。
 この日の観察会では、戸隠の子どもと親たち総勢20名くらいで、冬芽を見たり、雪を掘って中の層を見たりしました。案内してくださった戸隠地質化石博物館の中村さんの、的確なガイドに、子どもたちも興味を持ってしっかりと観察していました。戸隠を好きになって、また戸隠に帰って来て、と、こりんごおばさんはひそかに祈っておりました。

大雪だより! 2014-12-20

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 豪雪被害・・・

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                    家への進入路

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家の前庭

初積雪 2014-12-10

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 とうとうこの地にも雪が来、そのうち溶けるだろうとたかをくくっていたところ、どうやら根雪になってしまいそうな勢い。畑には大根、白菜がそのままになってしまい、田んぼの稲わらも刻みきれないまま雪の下に・・・ 来春が思いやられます。  
  し残せし事のまだあり冠雪(かむりゆき)

萱屋根葺き 2014-11-30

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 戸隠の「カヤ」情報の続きになります。こちらは戸隠中社の宿坊の屋根、ただ今補修中のようすです。だいぶ進んで、今日は葺いたカヤを針金で留めていく作業。屋根の内側にも人が入って、針金をつけた大きな鉄の縫い針を外から内、内から外と通して縫い上げていくのです。内と外との息が合っていないとうまくいきません。
 ところで、この屋根に上がっている職人さん、鬼無里の人なんですが、なんと御年87歳!すごいですねえ~!普通に歩いている時とちがって、屋根に上がると動きが違うとか。 ほんとに身軽なんです。こういう方に、ぜひ後進の指導に当たっていただきたいものです。

カヤ刈り 2014-11-17

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 戸隠スキー場中社ゲレンデでは、カヤ刈りが行われています。戸隠の宝光社、中社集落には、まだ数件のカヤ葺きの家(主に宿坊です。)が残されていて、今年、景観保存の地域指定が決まりました。そのため、戸隠は今、「カヤ屋根葺き替えラッシュ」とでもいう状況になっていて、職人さんもカヤも不足気味なのです。
 小谷村の職人集団が来戸して携わっているほか、戸隠のわずか1名の職人さんもフル稼働。戸隠の職人さんは小川宅と同じ自治区なので、小川宅では二人して手伝いに馳せ参じました。 どのくらい手伝いになったのか(足を引っ張ったのか?)わかりませんが、カメラマン小川はカメラを刈り払い機に持ち替えて、カヤを丁寧に刈り払い、こりんごはそれを束ねていく、という作業を行いました。もちろん職人のK村さん宅も、家族総出です。本当は刈り払い機よりも手刈りの方がカヤがそろって束ねやすいのですが、時間に追われ、人手もなく、とても時間をかけてはいられません。で、刈り払い機を使うわけですが、慎重に行わないとバラバラになってしまい、とても束ねられる状態になりません。
 近年、萱場は消滅の危機にあります。日本の豊かな自然は、放っておけばたちまち森林になってしまい、カヤが生育する草地はなくなってしまうのですから。ここは、スキー場として維持されているので、かろうじて萱場として使えるのです。

鏡池晩秋 2014-11-6

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 11月に入り、戸隠の黄葉もいよいよ終わりに差し掛かりました。今は里の紅葉が美しい。鏡池もご覧のとおり、カラマツの黄葉をわずかに残すだけ。午後の柔らかな日差しの中、観光客の方々がゆっくり散策したり撮影を楽しんだりしていました。戸隠や高妻の山頂ではすでに雪を見ていますし、北アルプスの峰々も真っ白になりました。御嶽山も何名かの命を抱き込んだまま、冬の扉に閉ざされてしまっています。来春、その方々が少しでも早く帰宅できますよう、祈ります。
 かわらない鏡池のたたずまいのようですが、昔の写真と比べてみると、池の中にあった枯木がなくなったり、木が高くなったりしていると思います。風景も変遷していくのですから、「風景写真」と言えど「記録写真」でもあるのだなあ、と思います。
 これから雪の季節を迎えます。今年はどんなでしょうか。

第1回稲刈り終る 2014-9-25

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 昨日9月24日、「女子会田んぼ」の稲刈りを終了しました。当初は女子会でスタートしたこの田でしたが、今回の稲刈りには夫をはじめ、先輩写真家のT田さん、W辺さん、そしてご近所のI川さんたち男子組が4名、「女子」はN村さんとわたくしの2名のみでありました。しかしさすがにこの田に6名で当たったことはありがたく、予定通りお昼には刈取りを終えることができました。みなさん、ほんとうにありがとうございました。天気予報通り、お昼過ぎには雨が降り出しました。
 イノシシのヌタの跡は手刈りで主に行いましたが、1株のうちで立っているものもあれば倒されてしまったものもあり、中には穂が土にめり込んでしまっているものもありで、いちいち選別して刈り取るのは結構手間がかかりました。臭いはわかりませんでしたが、一応は別に稲架かけしておくことにしました。田の以前の主、西さんがご存命だったら、この様を見て大いに悲しまれたことでしょう。今は、天国から見守って下さるよう、お祈りするしかありません。刈り取れた稲をできるだけ守って、無事脱穀にこぎつけたいと思っています。

イノシシとの闘い 2014-9-19

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 我が家の隣のこの田は、今年は寒冷地米「きらりん」を作り、何とか去年よりよさそうなところまでこぎつけたのでしたが、何と、イノシシに荒らされてしまったのです。この倒れた稲は、イノシシが歩き回り、時に体を地面にこすりつけていた痕です。隣のブルーベリー園で電気柵を張ったおかげか?今のところ新たな侵入は見られません。ところが、今度は実った稲穂を鳥たち(ホオジロ)がついばみ始めたのです。田へ行くと、鳥たちが一斉に稲から飛び立ち、周りの林へと逃げていきます。たまったものではありません。この高標高のところで、少ないなりきになんとか実ったものを、イノシシに踏み倒されたばかりか鳥にまで食べられてしまうとは・・・!
 こんな過酷な状況ではありますが、この9月24日には稲刈りを行います。稲刈り機が使えないところは手刈りで行います。果たして収量は如何に?そして、一般に言われてもいる「臭い」は如何に!?戦々恐々です。

戸隠そば展望苑 2014-6-29

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 今日の戸隠そば展望苑(戸隠バードライン沿い)の様子です。今は全面耕作をやめて、一部のみで細々とそばが育てられているようです。ここを管理していた蕎麦屋さんが閉店したこともあると思います。今は誰が管理しているかわかりません。よく見るとそば畑の周囲は電気柵で囲われています。ここにもイノシシなどが出没しているのでしょうか。環境の変化に抗い、下を向かないで続けていくのはとてもしんどいです。何に限らず。でも、、、、あきらめたくはありませんね。

新緑の鏡池 2014-6-16

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 今日の戸隠鏡池です。梅雨の晴れ間の青空がすがすがしい。新緑の柔らかな色が目に優しい。風が絶品の肌触り。いつまでも眺めていたい、風に吹かれていたい。・・・早く帰って洗濯をせねば…!

カエル天国 2014-6-6

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 6月2日に女子会田んぼのお田植えが終わり、これですべての田が完成したわけです。その2日のこと、田に置いてあった苗箱の中を見て、ビックリ!!なんと、2つの苗箱のどまん中に一つずつ、白い泡状のカエルの卵が産みこまれていたのです!・・・これはシュレーゲルアオガエルの卵塊。よりによってなんでこんなところに!? ふつうは、田の畔土の奥の方などに産み込むのですが…競争率が高かったのでしょうかねえ…
 ちなみに、この女子会田んぼ、つまり西さんの田んぼは、カエルたちにとって棲みやすいのか、多くの種類が生息しています。すでにお伝えしたかもしれませんが、ヤマアカガエル、シュレーゲルアオガエル、アマガエル、ヒキガエル、それにモリアオガエルと、カエル天国ですね。姿は見えませんが、もしかしたらツチガエルの仲間もいるかもしれません。これらが春になると順番に姿を現し、時期には大合唱が聞かれます。つい昨日は、遅い時期に出現するモリアオガエルの声を聞きました。夜、寝る時、外で繰り広げられる大合唱を聞くのは、季節の楽しみの一つです。これが聞こえなければ、どれだけ寂しいことかと思います。